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スティール・ギター(或いはスライド・ギターもですね)は「人間の声に一番近い楽器」と言われています。
ヨーロッパの近代音楽では五線譜に記入された音程しか楽譜上にはない訳ですが、実際には五線譜上の音程と音程の間にも無限に音程がある訳で、人間の歌声はこの無限の音程を自由に操って歌われています。
一方、通常のギターではフレットというものがあって半音ずつに区切られて、そのまま、ベンディング(チョーキング)などせず正確に各々のフレットの中心を押さえて運指している限りはデジタルな音に近いということになります。
スティール・ギターはスライドバーを使うことによって、音程をアナログ的な連続性をもって変えることができます。
そういう意味でスティール・ギターは人の歌声に近いと言われているんでしょうね。
スティール・ギターの一種にペダル・スティール・ギターというものがありますが、私はこの複雑な機構を備えた楽器がどういう仕組みで演奏されているのか、よく判らなかったのですが、このRGS Rock Guitar School のサイト(こちら↓↑)に詳しく解説されていて、概要を知ることができました。
このサイトによると、スチール・ギターは「ラップ・スチール」と「ペダル・スチール」に分類されます。
ラップ・スチールはその名の通り、座って膝(ひざ)の上において演奏する(スタンドが付けると立って弾く事もできます)楽器で、スライドバーによってのみ音程を上げ下げします
ペダル・スチールは、スチール・ギターに、チェンジャーと呼ばれるペダルやニー・レバーを取り付けたもので、スライドバーでの音程の変化に加え、左足でペダルを踏み特定の弦を強く張って音程を1音上げたり(コードも変わります)、膝でニー・レバーを操作して音程を下げる事もできます。
また、ペダル・スティールは音量を得るためにピックアップが搭載され、アンプに繋いで使用する電気楽器でもあります。右足でボリューム・ペダルを踏むことより音量を調整することもできます。
まあ、簡単に言うとそんな仕組みの楽器です。
いや、簡単ではないですね。
10弦が基本で普通のギターとは開放弦の音程の構成も違います。
ペダル・スティールは機種によってチューニングが決まっており(チューニングの違う2本ネックを備えた機種もあります)奏者が自分でチューニングを変えることができないので、コード・ワークに幅を持たせるために、弦の数を増やしていったようです。
このあたりは正直、読んでもサッパリ判りませんでした(笑)
スティール・ギターの起源は19世紀末、ハワイアン・ギターの創始者とされるジョセフ・ケケクという人が道で拾ったボルトがたまたまギターの弦に当たったという偶然から、金属片を弦の上を滑らせるという演奏を思いついたことに始まると伝えられています。
彼は工夫を重ね、オープンチューニングにしたギターを膝の上に乗せて金属のバーを滑らせて弾くというスタイルを確立します。
この演奏法はたちまちハワイ全土に広まり、ハワイのミュージシャンによってアメリカ本土にも伝わり、主にカントリー音楽の世界で使用されるようになります。
このような初期のアコースティックのラップ・スティールの音も素朴で味わい深いものがあるのですか、今回の記事ではスティール・ギターの究極の進化型、ペダル・スティール・ギターの演奏を中心に観ていこうと思います。
ハワイからアメリカ本土にスティール・ギターが伝わった20世紀初頭から時代は下って1950年代にペダル・スティール・ギターの奏法を革新し、その後のスティール奏者に多大な影響を与えたのがスピーディー・ウエストという人。
ジミー・ブライアントというギタリストと組んだギター・バトルが売りで、ウエスタン・スイングの流れを組んだジャズ・テイストを感じさせる演奏をしています。
1956年のスピーディー・ウエスト、テレビ出演時の映像。
このようにスティール・ギター(ペダル・スティールに限らず)の演奏は左手にスライドバーを持ち、右手の親指にサム・ピック、人差し指と中指にフィンガー・ピックを付けて演奏します。
この人の場合、左手のスライドバーが見えにくいですが、まさか指で弦をスライドしてるわけじゃないよね?
かなりのテクニックを駆使したトリッキーな演奏です。
見た目もサンダーバードの人形のようでトリッキーですが(笑)
今回、記事を書くにあたってスピーディー・ウエストを初めて聴きましたが、ペダルスティールの楽器としてのポテンシャルを最大限に引き出した、最初のペダル・スティール奏者のようですね。
2 ギターズ・カントリー・スタイル/スピーディー・ウェスト&ジミー・ブライアント
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私が初めてこの楽器の音を聴いたのはCSN&Yの"Teach Your Children"やカーペンターズの"Top Of The World"あたりのカントリー系のヒット曲ですが、それ以前の音楽で私にも多少、聴き馴染みがあるのが60年代に西海岸を拠点にしたベイカーフィールド・サウンドと呼ばれるカントリーの一派で演奏されていたペダル・スティールの音。
ウエスタン・スウィングの創始者ボブ・ウィルズのテキサス・プレイボーイズ出身のスティール・ギター奏者で、ベイカーフィールド・サウンドのバック・オーウェンスやマール・ハガードのアルバムに参加していたのがラルフ・ムーニー 。
彼のペダル・スティールがこの西海岸のカラッと明るいカントリーのサウンド・カラーに一役買っていました。
ベイカーフィールズ・サウンドの影響を受け、同じく西海岸で生まれたカントリー・ロックでもペダル・スティールは更にサウンドのカラーにおいて大きな位置を占めるようになります。
バーズを脱退したグラム・パーソンズとクリス・ヒルマンが1968年に結成した伝説的なカントリー・ロックのバンド、フライング・ブリトー・ブラザーズ(ブログはこちら↓↑)のスニーキー・ピート・クレイナウはこの楽器にファズをかけて、ロック的なアレンジメントを加えた最初のペダルスティール奏者。
"Christine's Tune"の演奏をご覧ください。
Flying Burrito Brothers - Christine's Tune 投稿者 LessieOtho
ペダル・スティールが完全にこの曲のサウンドの主役ですよねえ。
スニーキー・ピートのプレイはスピーディー・ウエスト直系のトリッキーな奏法を更にロック的に発展させたといったところでしょうか。
クリーン・トーンで演奏されてきたペダル・スティールの音を歪ませるというのは、やはりロック世代の発想です。
他のブリトーズのメンバーがハリウッドの衣装店ヌーディーズの派手な色の衣装を着ているのと比べて、全身黒い衣装(これもヌーディーズでしょうが)をまとったスニーキー・ピートが、この複雑な機構を備えた楽器を自在に操る姿は、後の電子楽器奏者のようなテクノな印象すら受けますね。
The Gilded Palace Of Sin/The Flying Burrito Brothers
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スニーキー・ピートの脱退後、ブリトーズの二代目ペダル・スティール奏者になったのがアル・パーキンスです。
クリス・ヒルマンとともにブリトーズを離脱し、スティーブン・スティルスのマナサス(ブログはこちら↓↑)に参加した後、L.A.のセッション・マンとしてカントリー・ロックを後継したウエストコースト・ロックの数多くのアルバム・クレジットにペダル・スティール奏者として名前を連ねることになります。
ここでひとつ、ラップ・スティールのスタイルでの演奏の様子も観てみましょうか。
70年代、全盛期のジャクソン・ブラウンをギタリストとして支えたデビッド・リンドレーはギターだけでなくマルチな
弦楽器プレイヤーでした。
実はジャクソン・ブラウンの有名曲のひとつである1977年の"Running on Empty(孤独なランナー)"の中でこの楽器が使用されています。
音量を増すためにネックの部分も中空構造にしたワイゼンボーン(ホローネック・ギター)と呼ばれるアコースティックのラップ・スティールの名手としても知られている人ですが、この曲ではエレクトリックのラップ・スティールを弾いていますね。
間奏でリンドレーがラップ・スティールを演奏している様子、終奏でジャクソン・ブラウンのスライド・ギターとラップ・スティールの掛け合いを観ることができます。
この頃、LPレコード1枚購入するのは、なかなかの出費で、ブリティッシュものを中心に買っていた私はアメリカのアーティストのアルバムにまではなかなか手が回りませんでした。
このアルバムはFM番組で全曲丸ごとエアチェックできたので、幸いなことにリアルタイムで聴くことができました。
当時はリンドレーがこんな風に弾いてるとは全く想像もしていませんでした。
かなりロックな音のわりに演奏している姿はあまりロックっぽいとは言えませんね(笑)
Running on Empty/Jackson Browne
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ラップ・スティールのスタイルで演奏するプレイヤーとしては、アコースティック・ギターの音量不足を補うために金属の反響板を取り付けたドブロ(リゾネーター・ギター)と呼ばれるブルーグラスでよく用いられる楽器の演奏では当代随一のジェリー・ダグラスや先日、記事を書いたイギリスの新進ブルースマン、ジャック・ブロードベント (こちら↓↑)なども、私のお気に入りのラップ・スティールのスタイルで演奏するアーティストです。
ラップ・スティール系のギターは普通のギターと同じく6弦なので、ギターを弾いてる人もチャレンジしやすい楽器だと思いますね。
ニール・ヤングの72年のアルバム『Hervest』にストレイ・ゲイターズのメンバーとして参加し、職人芸のようなペダル・スティールを聴かせていたのが、ベン・キース 。
彼のペダル・スティールを初めて聴いたのは、このアルバムからのシングル"Heart Of Gold(孤独の旅路)"でしたが、『Hervest』の中では、この"Out on the Weekend"のペダル・スティールが一番いいと思います。
アコースティック・ギター、ベース、ドラムスだけでは単調になりがちな、この曲の音と音の行間に言葉にならない深い情感を与えているベン・キースのペダル・スティールはいいですね。
リードをとっているのはニールの歌とハーモニカで、あくまでベン・キースは脇役としてニールを支えています。
スニーキー・ピートのように派手な間奏を弾くことはありませんが、やはり私はこの人のペダル・スティールが一番好きかもしれません。
Harvest/Neil Young
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クレイジー・ホースを従えたニール・ヤングは2003年のグリーンデイル・ツアーで来日した時に観ることができましたが、2010年にベン・キースは亡くなり、ストレイ・ゲイターズをバックに歌うニール・ヤングを観ることは叶いませんでした。
ここまで、カントリー系のサウンドに使われているペダル・スティールの音を聴いてきましたが、カントリーとは真逆のプログレッシヴ・ロックでペダル・スティールを使用していたのが、ピンク・フロイドのギタリスト、デイヴ・ギルモア 。
このペダル・スティールの音は、レコードの音だけを聴いていた当時はエレキ・ギターに何かエフェクターをつないで出している音だと思っていました。
どうも、ペダル・スティールというカントリーで使われている楽器がプログレッシヴ・ロックとイメージ的に結びつかなかったんですね(演奏をするのが難しいというところはプログレっぽいですが)
ギルモアもブルースが基礎のギタリストなのでボトルネックを指にはめたスライド・ギターもできると思いますが、多少の音程のズレも味になるブルースとは違い、完成度の高いサウンドを志向するプログレッシブ・ロックとしては正確な音程を出しやすいペダル・スティールの方が…ということなんでしょうね。
"The Great Gig in the Sky(虚空のスキャット)"のライブ映像をどうぞ
通常の人間の声域を超えていると言えるペダル・スティールの音は正に天に昇っていくようですが、この女性ヴォーカルの皆さんの声域の広さも素晴らしい。
しかし、このアルバムはプログレのアルバムとしては異例によく売れましたよねえ。
もちろん、私の家にもありました。
当時、家庭用オーディオとして主流だった4チャンネル・ステレオで聴くと"On The Run(走り回って)"のサウンド・エフェクトが本当に部屋の中を人が走り回っているように聴こえたもんです。
考えてみると、デジタル・レコーディングが主流になる直前の最高度に発達したアナログ・レコーディングで収録されたLPレコードを大口径の4チャンネルのスピーカーで聴いていた、40数年前の一般的なオーディオ環境の方が、ハイレゾ音源などを聴いている一部の人を除いては、今よりも恵まれていたと思いますね。
Dark Side of the Moon/Pink Floyd
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私は最近になって知ったのですが、ハワイからアメリカ本土に伝わったスティール・ギターをカントリー音楽以外に伝統的に使用していた音楽ジャンルがあったんですね。
何とそれはゴスペルです。
近年、ゴスペル出身のスティール・ギター奏者として注目を集めているのが1977年生まれのロバート・ランドルフという人。
彼が生まれ育ったニュージャージーの黒人教会では、オルガンの代わりにスティール・ギターが使用されていたということです。
このスティール・ギターを主役にすえたゴスペル音楽は「セイクリッド・スティール」と呼ばれており、子供の頃からこの音楽を聴いて育った彼は自身もペダル・スティールを弾くようになります。
ロバート・ランドルフは今年『Got Soul』というニューアルバムをリリースしていますが、少し円熟してソウルフルなテイストのあるこの最新作も捨てがたいのですが、ここは活きの良さを買って、2003年のアルバム『Unclassified 』から"Run For Your Life"をお聴きください。
いや、これは完全にロックですよね。
彼は「ペダル・スティールのジミヘン」とも呼ばれているようです。
スティーヴィー・レイ・ヴォーンのギターのフレーズに学んだというランドルフのペダル・スティールにはブルージーなフィーリングも感じられます。
ただ、ゴスペルにさしたる造詣のない私には、どこかにゴスペルのテイストが残っているのかはよく分かりません。
でも、こんなステージ・アクションでペダル・スティールが演奏されるとは、まったく想像していませんでした。
この楽器も黒人がプレイすると、自ずとハワイの人や白人が弾くペダル・スティールとはニュアンスが違ってきますね。
シンセサイザーも白人が弾けはプログレになるし、黒人が使えばファンクになるのと同じでしょうね。
Unclassified/Robert Randolph & The Family Band
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今回、ペダル・スティールのことを調べてみて思いました。
案外、スライド・ギターを覚えるより弾きやすいんじゃないかと思ってましたが、
これは、カントリーのバンドをやるならともかく、素人が趣味として弾くのは無理。。。
正にプロフェッショナルな楽器ですね。
参考文献
CROSSBEAT Presents スライド・ギター (シンコー・ミュージックMOOK)/著者不明
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弦楽器情報パラダイス
●室内楽コンサートのご感想をいただきました② こんにちは。まどかピアノ教室♪渡辺まどかです。 熊本・宇城市と天草・苓北町でピアノとリトミックの教室をしています。 室内楽コンサートが終わった日の夜高校生Kちゃんのお母様からもLINEをいただきました。
室内楽コンサートの記事はこちらです♬
室内楽コンサートのご感想①はこちらです♬
今回は、弟のYくんと伯母様も一緒にコンサートに来て下さいました。 コンサートお疲れ様でした。とても素敵でした。 特に心に残ったのが3楽章の先生のピアノソロです。あんなに一音一音を優しく丁寧に弾かれていて自然と涙がにじみました。そして、最後の盛り上がりはかっこよくて思わず笑みがこぼれてしまいました。 Yは、初めてのコンサートでしたがすごかった!と頷いていました。 先生に頑張るパワーをいただきました。コンクール、発表会へ向けてまっしぐらです。 ご家族の休日の日曜日に皆さんでコンサートを聴きに来て下さり心より感謝感謝です。
弦楽器の先生方が素晴らしい演奏で支えて下さったので私もとても気持ちよく演奏できました。 3楽章のソロの部分は音は単音でシンプルですが実は...この曲の中で私が一番好きなところでした。気持ちが通じていたことがとても嬉しかったです。 またいつか必ず...ドゥムキー演奏したいです。 レッスン生募集中ピアノコース・リトミックコース 体験レッスン料 1,000円(ご入会いただいた際は初回お月謝に1,000円還元いたします) お問い合わせはこちらからお願いいたします
おうちリトミック開講します♪ 体験レッスン随時募集中です。お問い合わせ・お申し込みはこちらです お電話でのお問い合わせは090-7383-5398までお願いいたします。 開講曜日 木曜日 月2回レッスン 場所 まどかピアノ教室 松橋教室(駐車場あり) 月謝 3,000円
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H.27年4月2日~H.28年4月1日生まれのお子様
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10時~10時40分
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H.26年4月2日~H.27年4月1日生まれのお子様
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