弦楽器に花束を
MSP装着コンバスに飽きたので
安物エレアコに装着してみた
BEHRINGERの格安DI付きプリアンプをオモチャに買ってみた
オモチャプリアンププラスオモチャギターアンプで試奏してみた
なんと内蔵ピエゾマイクより音色が豊かで艶っぽい
老人ホームの慰問や小さなホールで使用したが…充分な仕事をしてくれた
MSPピックアップは磁石さえ入ればバイオリンでもなんでも
アコースティックな
弦楽器なら鳴らせそう
DIを使えばPAシステムにも生音を流し込める優れものと見た!
ネットの評判もハイクオリティリーズナブル!!
笑顔のそばに弦楽器
公式ハッシュタグランキング: 位
この回、スンリさん視点です。
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この店に来たのは、ホントに久しぶりだった。
しばらくは海外での仕事も多かったし、韓国に戻っても経営する店の様子を見に行ったり、その付き合いなんかで、独りでゆっくりという時間もあまりなかった。
元々独りで居るよりは寝るまで騒いでるくらいの方が好きだ。
とは言え、そんな日々ばかり過ごしているとさすがにたまには静かに…と思うこともある。俺にだって物思いにふける時もある。
さっきは元気よく店に入ってきた俺だが、ここがそんな雰囲気でないことは分かっていた。
ひとしきり【俺らしく】店の人とじゃれてみたところで、店内の様子をぐるりと見回す。
昔から変わらない、温かなオレンジの灯りと木のぬくもり…音響の整った店内に流れる音楽…
しばらくぶりに独り訪れたこの店の雰囲気に落ち着きを取り戻す。
「1杯貰おうかな?」
「…どうぞ。」カウンターに肘をついてテーブルに視線を落としていた俺の前にオーダーしようと思っていたものがそっと置かれる。ハナちゃんの手で。
………
視線をテーブルからゆっくりと上げれば、目の前に彼女の憂いのある微笑みが見える。
…またその目だ……。
その時、静かにだけど俺の胸の鼓動は速くなった。そしてその奥に孤独をたたえた瞳でも見つめて、ハナちゃんがグラスを差し出す手にさり気なく自分の手でも重ねてみたかった。でもそんないきなり…しかも柄じゃないし…。
だからやっぱり俺は俺でさっきの続きをやるしかなくて。
「ほら!俺のこと分かってんじゃん。」
「『俺のこと分かってんじゃん』って、何を飲むか知ってるだけでしょ?だって…大体それしか飲まないって…」と言って控えめに口に手を当てクスクス笑う。
笑われたことに口を尖らせて「あーあ…。大体さぁ…こんなイイ男に声掛けられて『私っスンちゃんとデートしたいわっ♡』なんて思わないの?」両手を軽く握って顎の下に当て、可愛らしい女の子のような仕草と黄色い声で言ってみる俺が可笑しくて堪らない様子で彼女が笑う。
俺はいつだって彼女を孤独の淵から救いたい。その笑顔にホッとするからもっと笑わせたい、そう思うんだ。
「そうよね。普通は思うんだろうね。自分で『イイ男』なんていうカッコイイ男とデートしたいってね…。」彼女にしては珍しい茶目っ気たっぷりの眼差しで、口に手を当ててこちらを見る
「あー…ちょっ!マスター。何とか言ってやってよ。なんで?俺、あしらわれてるやん?!俺さぁ、一応BIGBANGだよ?いつもさー『キャー』とか言われたりしてるんだよ?」
彼女は、額に手を当て眉を下げ困り顔でそう言う俺がおかしくてたまらない様子でクスクスクスクス笑い続けている。
ずっと黙って話を聞いていたマスターも全く相手にされない感じの俺に同情して「ハナ。いい加減スンちゃんとデートしてやれよ。」それから腕組みしていた手を解き、片手で短めに伸ばしている髭を弄りながら鼻で息を吐くと続けて言った。「普段笑わないハナがこんなに笑うんだから…。ハナは…いーんじゃないの?スンちゃんと…。」
「マスター!マスターまでスンちゃんの味方?私は誰ともデートなんてしません。知ってるくせに…。」
そう。分かっている。彼女は誰ともデートなんてしない。
誰ともデートなんてしないと言ったハナちゃんの心の奥が少しチクリとしたことも知らずに、俺はそう思った。
その日独りで飲みに来た俺には、そこで物思いにふける時間だけがあった。
店内に静かに鳴り響くジャズに耳を傾けながら、初めてここへ来た時のことを思った。
俺の柄じゃないと人は思うだろう。まぁ…確かに自分でもそう思う。たまにはこんな落ち着いた所で独りグラスを傾けるのもカッコイイと思って、少し背伸びして来たのがそもそもの始まりだった。
ここはYGの社屋からそんなに離れていない。会社の関係者も利用する者はいるし、芸能関係者利用がある為にその手の事情を理解して配慮してくれる店でもあった。比較的安心してこられる店として俺たちに認識されていたけれど、何故かBIGBANGのメンバーで来たことはない。まぁ…仕事終えてまであまり会社関係の人と会いたくなければ避けた方がいいという考えがあったせいもあると思う。
最初にこの店に来たのは、今ここへ来た時間よりももっと早い時間で、ジャズのライブイベントのあっている時間帯だった。
この店では週に何度かイベントでいろんなバンドが出入りしていたが、何もない日にはレギュラーバンドが時間になると生演奏を聴かせてくれた。そのバンドでピアノを弾いていたのが…ハナちゃんだった。
一目見てわかった。「あの時の!!!」と。
昔ピアノを教えてくれた女の子だ。間違いない。髪も長くなってるし、成長しているけれど、絶対あの時の彼女だ。何故か自信タップリに思った俺は演奏を終えた彼女に話しかけた。
「演奏、よかったです。あの…僕を覚えていますか?」
「あ…聴いてくださってありがとうございます。…スンリ…さん…ですよね?覚えてますよ。凄い人気ですね。」
「あの時はありがとうございました。お陰様でなんとかあの時のピアノは上手く行きました。」
「そう……よかったです。」そう言った彼女はあの可愛らしかった頃とは違う、女性らしい柔らかさを醸して、オレンジの照明の中で美しく微笑んだ。
大きく胸の開いたドレスとヒールの高いサンダルは彼女のスタイルの良さを際立たせる。先の方を少しだけ巻いた長い髪も年齢よりはより彼女を艶やかにみせていて、なんという魅力的な女性なのだろうと息を飲んだ。
だからといって【一瞬で恋に落ちた】とか、そういうことはない。
けれど、心から素敵だな…と思ったし、俺はその日ゆっくりと楽しむ暇もなく終わってしまったステージがどんなものが気になった。昔、俺が練習すべき曲を一度だけ弾いてくれたピアノを思い出して。
それから何度かその演奏を聴くためにここへ来た。ジャズが特別好きだった訳でもないけれど、勉強のためにいろんなジャンルのものを聴くようにしていたのもあって。
ハナちゃんのバンドはピアノとバイオリン、ビオラ、チェロ、ウッドベースのバンドで、音楽大学仲間で組まれたものだった。彼らのMCを聞いていると、ここへは勉強も兼ねたアルバイトで来ているようだった。
とても明るい曲から、静かに聴かせるものまで、そのレパートリーは幅広く、それを聴かせる腕前も皆大したものだった。俺は聴くうちにだんだん彼らの音楽に惹かれて、たまにこの演奏を目的にここへ通うようになった。
そのうちに俺は気づいた。このバイオリン弾きの男がハナちゃんの彼氏なのだと。2人の掛け合いで一瞬目が合う時の時の互いの瞳で…曲の間合いをとる時の2人の呼吸で…
いつ見ても幸せそうに演奏している2人を…演奏後に談笑する2人を見て、微笑ましく思っていた。
画像お借りしました。BIGBANGメンバーの、名前が出てきますがご本人様とは関係ありません。
ところで、この回を書いていて思い出したことがあります。私も大学生の頃に仲間に入れてもらってたカルテットで一度だけアルバイトした事があって。企業のクリスマスパーティ会場で何曲か弾いたのですけどYouTube巡りしていたらその時弾いた曲を見つけて嬉しくなりましたーこの曲のコピーやったんだった懐かしい~~若かったァジミー·ヘンドリックス「紫の煙」のcoverクロノス・カルテットの演奏です。
凄いでしょ?めちゃくちゃカッコイイですよっ
弦楽器はクラシックばかりではありませんね^^*
しかし…こんなの弾いたんだけど果たして弾けたんだろうか?あの頃はまだ厚かましかったからなぁ…世間知らずというか…
動画お借りしました。