ジョジョの奇妙な弦楽器
ママバンドLINKSは、年齢、性別を問わず、コラボしてくださる演奏家の方を募集しています!
歌(リード、コーラスどちらでも)ギターやベース、カホン&パーカッション、
管楽器、
弦楽器など、なんでも結構です。
練習場所は基本 名古屋市瑞穂区内。
練習時間は平日の昼間が中心となります。
ジャンルは、JPOP、アニメ、ディズニー、
唱歌、クラシックやボサノバなど。
多くの人に馴染みのある曲を自分たちで
アレンジして演奏しています。
私達の奏でる音楽で、皆さんに楽しんでもらいたい、心地よい時間を届けたい、そんな思いで活動をしています。 ご興味のある方はぜひご連絡ください!!
よろしくお願いします! ママバンドLINKS つばき
弦楽器で差をつけろ
公式ハッシュタグランキング: 位 前編からの続きです(前編は前回の記事を参照してください)今回は「展覧会の絵」の第6曲から・・・ <第6曲 サミュエル・ゴールデンベルクとシュムイレ Samuel Goldenberg und Schmuyle>面白い曲だなあと思いつつも、実は何を表しているのかなど何にも知らずに今まで聴いていた この2枚の絵はハルトマンがポーランドのサンドミルで描いた豊かなユダヤ人(左)と貧しいユダヤ人(右)。これがゴールデンベルクとシュムイレのモチーフと考えられている。 実際の曲ではこのふたりの会話を音楽にしたといわれていて、ラヴェル編のオケでは木管群と
弦楽器群が金持ちで傲慢なゴールデンベルクを、ミュートをつけたトランペット独奏が貧しく卑屈なシュムイレを表している。なるほどそれを知って聴くと今までとガラッと印象が変わるかも・・・ <第7曲 リモージュの市場 Limoges, Le marche>リモージュとはフランスに実際にある都市で、ハルトマンはフランスに訪れた際にここでたくさんのスケッチを描いた。 これらのデッサンがこの曲のモチーフかといわれている。 踊っている人や着飾っている人、身体をそらせて声を張り上げている物売りや取っ組み合いのけんかをしている人たちまで・・・ これらが台紙にペタペタ貼られていてその台紙にもガイコツや綺麗な女性の絵が書き込まれている。実際の曲もこのデッサンのように色んな人がせわしなくざわざわしているような雰囲気が感じられる。 <第8曲 カタコンブ(ローマ時代の墓) Catacombae:Sepulchrum Romanum>カタコンブとはパリにあるローマ時代の地下墓所のこと(キリスト教徒の墓地)。この曲のモチーフとなったといわれるハルトマンの絵がこちら。 シルクハットの人影がハルトマンと友人のケネス。カンテラを持つ手前の人がこの墓地の管理者で案内人。右手の壁をよく見るとガイコツが積み上げられている。 「死者とともに死者の言葉で Cum mortuis in lingua mortua 」原曲の自筆譜には、第8曲と第9曲の間に鉛筆で「死者とともに死者の言葉で」と書かれた部分がある。高音部と低音部が交互にプロムナードの旋律を奏で、(さながら絵の具が溶け合うかのように)音色が溶け合って終わる。(以上九響パンフの西田紘子氏の解説を引用) <第9曲 鶏の足の上の小屋(バーバ・ヤガー) La cabane sur des pattes de poule:Baba-Yaga >バーバ・ヤガーとはロシアに伝わる、森に住む妖婆で魔女のようなもの。そのバーバ・ヤガーが住んでいるのが鶏の足の上に建った小屋だそう。(ちなみに室内や庭にはガイコツが飾られているとか)ちなみにそのバーバ・ヤガーはこんな妖婆だそう。(Wikipediaより) こ、こわい・・・そしてバーバ・ヤガーが森深くに住むという小屋はこんな感じだそう(webよりお借りしました)。 で、実際にこの曲のモチーフとされたといわれるハルトマンの絵はこちら。 ペン画と彩色画の2つある。 最初見たとき、「え?これ??」と思った。ハルトマンはバーバ・ヤガーの小屋をモチーフとした置時計のデザインをしていたらしい。(ペン画の方がわかりやすいが)よく見ると確かに鶏の足が台座の上に立っている。このデザイン画は両方ともとても精緻に描かれているのでハルトマンはほんとにこんな置時計が欲しかったのかも(?) <第10曲 キエフの大門 La grande porte de Kiev>この曲の壮大なイメージからして、パリの凱旋門のようなすっごい門を想像してたのだが、実際にモチーフとなったハルトマンの絵がこちら。 最初見たときは、何だかかわいらしい門のようで意外な気がした。 これはハルトマンがキエフ(現在のウクライナの首都)に建築予定だった凱旋門のデザインコンペに出品した作品なのだそう(実際は建築の計画は立ち消えになったとのこと)。 最初かわいらしいと思ったが、よく見ると門の下の人影や馬車が見える。その大きさからするとこの門のでかさがわかる。門の上にはステンドグラスが、そして門の横には正教会風の塔のような建物があり、凱旋の時にはカリヨン(組になった大鐘)を打ち鳴らすようになっていた。 これを知って聴くと、実際の曲での教会コラールの旋律や荘厳に響く鐘の音などイメージにぴったりだとあらためて思った。そして実際には建築に至らなかった、ハルトマンが描いた凱旋門がムソルグスキーの手によって音楽の中で堂々と鎮座しているような、大げさに言うとハルトマンの意志をムソルグスキーがしかと受け止めたような・・そんな気がした。 元々「展覧会の絵」のモチーフとして知られていた絵は6枚(第5曲「殻を付けた雛鳥の踊り」、第6曲「サミュエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」(2枚)、第8曲「カタコンブ:ローマ時代の墓」、第9曲「鶏の足の上の小屋:バーバ・ヤガー」、第10曲「キエフの大門」)であったが、1991年12月1日放送のNHK番組「革命に消えた絵画ー追跡ムソルグスキー展覧会の絵」によって残りの絵を含むハルトマンの遺した作品の探索がなされたのだそうだ。なので今回書いた、第5,6,8,9,10曲以外の曲の元となった絵としてあげたものはこの番組によるところが大きい。真実のほどは賛否両論あるのだろうが、第4曲のブィドロなどはとても興味深かった。 「展覧会の絵」というタイトルから金縁のゴージャスな額縁で飾られた大作の油絵みたいなのを想像していた私は、モチーフとなったハルトマンの絵の数々を見たときは「こんな絵だったのか~!?」と最初は意外に思うばかりだったが、色々と調べていくにつれてムソルグスキーが彼の絵に触発されてこの曲を作ったのも分かるような気がした。この曲が作られていなければ私はハルトマンのことを知ることもなかっただろう。ハルトマンのアイディアをさらに昇華させたり、彼の絵を基にさらに深い意味を込めたりしたムソルグスキーはすごい。 モデスト・ムソルグスキー ヴィクトル・ハルトマン 注;これらの絵の大半の引用元は以下のサイトです。http://www.geocities.jp/qqbjj485/XPX/X-k-hartmann.htmまた、絵の解説などは上記のサイトと九響の9月号のパンフ(西田紘子氏(九州大学大学院 芸術工学研究院 助教))による解説を参考にさせていただきました。